静寂の比叡山 – 関西旅行(1)

2021年5月25日

コロナ禍の緊急事態宣言中で今年は気候が良くなってもどこにも旅行に出かけられません。自粛を利用して昨年出かけたところの旅行記をまとめています。今日は、昨年7月に関西へ所用で出かけた時に少し足を伸ばした比叡山の話題です。

高速道路が良くなって近くなった

2020年7月初旬、出発は「ちばらぎ」です。関西へ車で出かけるときは、いつも5時出発です。これは東京都内を交通渋滞前に抜け出すためです。首都高6号線は6時頃から混み始め、一度渋滞に巻き込まれると渋谷まで2時間近くかかってしまいます。東京を横切るだけで疲れてしまい、その先に出かける気力が萎えてしまいます。この日は順調で首都高を抜けるまでに1時間、そして2時間で御殿場です。以前は足柄SAで富士山を眺めながら休憩していましたが、最近はもう少し頑張って駿河湾沼津SAで休憩です。ここは駿河湾から伊豆半島の眺めが良いのと、美味しいパン屋さんがあるので朝食には絶好の場所です。それと沼津まで来ると一気に旅行気分になれ、ドライブが楽しくなります。

東名高速から富士山

新東名は本当に走りやすい道路で制限速度が120 km/hに緩和されているのも納得できます。走っている車の数も少なく、120 km/hで走っていても全く怖さを感じない道路です。難点を言うならトンネルが多いことと景色の変化が少ないことです。新沼津から名古屋近辺まで約2時間は少々退屈かも知れません。山の中なのでFMラジオもあまり聞こえません。

長~い静岡を抜けるとその後は比較的早く関西まで着きます。伊勢湾道路は名古屋港の湾岸を繋ぐたくさんの橋を渡りますが、どの橋も奇抜な形で美しい設計となっており走るだけで楽しいです。またその先は第2名神道路が一部開通しているので渋滞もすることはありません。名神高速の大津ICには10時半前につきました。家を出てからたったの5時間半。観光を開始するにはちょうど良い時間です。少し早起きするだけで非常に得をした気持ちです。

比叡山

大津からは比叡山ドライブウェイを通って30分ぐらいで比叡山延暦寺に着きます。天台宗の総本山、伝教大師最澄が開いたお寺です。と言っても普通のお寺ではありません。比叡山全体が修行の場で法然上人、親鸞聖人、道元禅師、日蓮聖人など、その後の日本仏教の各宗派を開いたほとんどの高名なお坊さんは比叡山で出家しています。お堂や塔は「東塔」、「西塔」、「横川」の3地区に集まっており、それぞれに本堂があります。今は100ほどの建物があるそうですが、最も栄えたころは3000以上のお堂があったそうです。

比叡山から琵琶湖を望む

観光のメインは東塔地区で、延暦寺発祥の根本中堂があります。残念ながら現在10年間の大改修工事中のため、建物の全景は見ることができませんが、堂の内部に入ることはでき、開祖の最澄によって灯されてから1200年以上も消えずに灯され続けている「不滅の法灯」を見ることはできます。また屋根裏などの改修の様子も見ることができます。大講堂、阿弥陀堂、東塔、文殊楼などが主な建物です。

根本中堂は木の後の白い工事用カバーで覆われています。根本中堂の入口は工事現場の入口みたいでした。

大講堂です。

大講堂の前にある釣鐘は有料ですが撞くことができます。

阿弥陀堂と東塔

西塔エリアは東塔エリアから車で5分ぐらい着きます。歩いても20分ほどですが、天候が怪しくなってきたので車で移動しました。東塔エリアはそれなりに観光客がいましたが西塔エリアはずっと静かになります。釈迦堂と呼ばれる本堂が中心ですが、今も修行に使うために非公開となっている「にない堂」があります。最長の御廟がある浄土院は少し離れて東塔エリアとの真ん中あたりにあります。

釈迦堂には観光客もおらず静寂でした。

にない堂は今も修行が行われる常行堂と法華堂の二つのお堂です。

横川エリアは横川中堂と呼ばれる本堂がメインです。それ以外にもたくさんお堂がありますが、それぞれが離れています。また観光客はほとんどなく静寂そのものです。横河地区の入口と横河中堂です。

比叡山には延暦寺以外に京都方面からの叡山ロープウェーの終点駅の近くにガーデンミュージアムがありますが、残念ながらコロナ禍で休園中でした。自然の中の深い緑と由緒ある仏教建築、滞在時間3時間でゆっくり比叡山を味わいました。
ただ不思議だったのは、これだけ大きいお寺なのに、ほとんどお坊さんの姿を見なかったことです。お坊さんは一体何処にいるの?? そして高野山と比べてどうしてこんなに寂しいの??

旅行

Posted by Sorato