秋本番 – キンモクセイとヒガンバナと虫の音

秋本番です。我が家の庭では数日前からキンモクセイの甘い香りが漂っています。その花を少し切ってトイレに飾っているので、トイレは消臭剤ではなくリアルなキンモクセイの香りがしています。また庭ににょきにょきとアスパラガスのような茎が伸びて来たと思ったら、あっという間に白いヒガンバナが開花しました。一般的にはヒガンバナは赤というイメージですが、白やピンクのものもあります。赤色のいわゆるヒガンバナは、少し毒々しく、文字通り彼岸のイメージが強すぎるので、庭にあるより田舎道や田んぼの土手で咲く方が似合うように思えます。一方白やピンクのヒガンバナはなかなか上品で私はこちらの方が好みです。

そして秋と言えば虫の音です。日暮れ時から寝入るころまで続く虫たちの大合唱は、季節の移ろいを感じさせてくれます。日が暮れてからも蝉の声が賑やかで、蒸し暑さと葛藤した夏の夜から一か月余りで、ここまで気持ち良くなるのかと日本の四季には感動します。

虫の音と言うと、「あれマツムシがないている~ チンチロチンチロ チンチロリン …」で始まる童謡「虫のこえ」がすぐに思い浮かびますが、我が家の庭にはどのくらいの虫がいるのか調べてみました。童謡に出てくる虫は、マツムシ – チンチロチンチロチンチロリン、スズムシ – リンリンリンリンリィーンリン、コオロギ – キリキリキリキリ、クツワムシ – ガチャガチャガチャガチャ、ウマオイ – スイッチョンの5種類です。私は関西の田舎育ちですから一応これらの虫は全て捕って飼ったことがあり、鳴き声も良く知っていますが、首都圏郊外の住宅地にある我が家ではさすがにスズムシやウマオイはいないようです。鳴き声を観察しネットで調べてみると、我が家に生息しているのはエンマコオロギ、カンタン、マツムシ、カネタタキといったところでしょうか。

さて、これらの鳴き声を静かに聴いていると、同じ種類の虫でも個体によって上手に鳴くものもいれば、下手なものもいるようです。特に大きな声でなくエンマコオロギの場合は鳴き方の上手下手がはっきりと分かります。そして毎日聴いていると、だんだん上手になっているように思えます。というか下手くそな鳴き声が減ってきます。昨日のコオロギと今日のコオロギが同じ個体という確証はありませんが、さほど広くない我が家の庭に生息しているコオロギの個体数はたかが知れているので、たぶん同じコオロギ達なのでしょう。虫が鳴くのは求愛行動のようですから、成虫になって上手く鳴くことは短い生涯の中で一番大切なことで、きっと必死なのでしょうね。聴いている分には楽しいのですが…

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Posted by Sorato