五月晴れの本当の意味
遅まきながら青空が戻ってきました。昨日に引き続いて今朝も快晴です。天気予報では明日も快晴で気温は30℃近くになるとか。一週間以上ぐずついた天気が続きましたが、ひとたび晴れると夏がやって来た感があります。
さて“五月晴れ”と聞くと、子供の日に鯉のぼりが泳ぐ青天のイメージを思い起こします。そのため安定した爽やかな快晴のことを示していると思い込んでいたのですが、私の認識はどうも間違っていたようです。
“五月雨を集めて早し最上川”は御存じ有名な芭蕉の句です。この句を詠んだのは旧暦の6月初め。5月末の句会で”…集めて涼し…“と詠んだ句を、6月になって実際に舟下りをした船上で”…集めて早し…“と詠み直したようですが、旧暦の5月・6月はもちろん今の6・7月となり梅雨時です。つまり五月雨は梅雨の雨だった訳です。
ならば“五月晴れ”も旧暦で考えると6月の晴れ、つまり梅雨時の晴れということにならないか? こんな疑問を抱き少し調べてみたところ、やはり五月晴れは梅雨の晴れ間を意味していました。実際に旧暦を用いる俳句では五月晴れは梅雨の季語とか。だから梅雨入り前のカラっとした青天ではなく、ジメジメした蒸し暑い晴れ間が正解でした。
でも言葉の用法や意味は常に変わります。”ヤバい”という言葉は以前は“最悪”表現だったのが、今では”最高“です。それに今は旧暦を使いません。だから世間一般の人が湿度が低くて爽やかな5月の快晴を五月晴れと呼ぶなら、今日はまさに五月晴れです。
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