やっぱり素晴らしいマスターズゴルフ
先週のアメリカPGAはマスターズでした。2日目までは松山選手も何とか踏ん張り、私はMoving Saturdayを期待していたのですが、残念ながら下に向かってMoveしてしまい連覇はなりませんでした。優勝はシェフラーで、最終18番で4パットをしても2位マキロイに3打差をつけての圧勝と、さすがランキング一位の貫録を見せつけた訳ですが、途中は決して楽勝ムードではありませんでした。
最終組のシェフラーは途中まで2位のキャメロン・スミスが出入りの激しいゴルフを繰り返していたのに対し、前半は堅実にスコアを2つ伸ばし、常に3~4打差でリードしていました。それがバックナインに入ってから明らかに硬さが見えてきました。10番で両者共にボギーでスコアを落とした後の11番でスミスがバーディーを奪い、その差が3打差に縮まった時は、勝利の女神がどちらに転んでもおかしくない雰囲気になりました。しかし今度はスミスにプレッシャーがかかってきました。アーメンコーナー2ホール目の12番の短いショートホール、一気に畳みかけようとしたスミスのショットは無残にもクリークの中へ。結局このホールをトリプルボギーとして勝利の女神はスミスから離れてしまいました。勝負ありです。その後は緊張から解放されたシェフラーの独走となってしまいました。
この中継を見ていて昨年のマスターズも同じような場面があったことを思い出しました。松山が前半終了時に7打差をつけていた2位シャウフェレに12番のショートホールから4連続バーディーで一気に2打差まで追い上げられました。松山はボギーが続き、逆転されるのは時間の問題という状況にまで追い詰められましたが、次の16番のショートホールでシャウフェレが池に打ち込みダブルボギーとなり、一度離れかけた勝利の女神が松山に戻ってきました。
今年のスミスは11番が終わった時にシェフラーが緊張して硬くなっているのがわかったのでしょう、だから一気に攻めに出ました。去年のシャウフェレも同じです。でも「好事魔多し」です。このような時ほど冷静さが求められます。次元が低い話ですが、私は時折バーディーをとると、次のホールのティーショットでOBを打つ確率が非常に高いです。バーディーで気分が乗って来て、次のドライバショットは気持ちよく振り抜けるはずなのに、逆に「よし、もう一つ」という気持ちが前に出過ぎて力んでしまうのでしょう。ゴルフは如何に平常心・謙虚さを保てるかが試されるスポーツですね。
シェフラー対スミスの対決も12番で終わり、勝敗の行方はほぼ決まってしまいましたが、マスターズは勝負から離れても見どころがあります。最終的に2位になったマキュロイと、5位のコリン・モリカワの18番のバンカーショットです。まずマキュロイが距離のあるバンカーショットを見事チップインバーディー。これだけでもすごいショットなのに、それに続くモリカワもやはり距離があるバンカーショットをチップインしました。まるで奇跡のような光景です。またTV中継の終わりに映した今年のマスターズのスーパーショットの映像は、ホールインワンを含めどれも超一流のショットでした。超一流の技術で視聴者を魅了する – これがマスターズの魅力です。
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