経済を回す一番の方法は??
コロナが広がって行動制限の良し悪しが議論された時は、いつも「経済を回す必要がある」と総理が声高に叫んでいました。昨年のGoToキャンペーン開始然り、感染者数が下がりきらない中での緊急事態宣言解除然り。開催反対が大勢を占めたオリンピックの強硬開催もやはり「経済を回す」必要があったことが大きな要因かと思います。
ここ数日は感染者数もピークアウトした感があり、10月以降はワクチン接種証明やPCR陰性証明などがあれば、活動自粛を緩和するというニュースも聞こえてきます。政府も「コロナに打ち勝つ」のではなく、「Withコロナ」を前提にして経済を回す方に舵を切ったということなのでしょう。
コロナ禍で躊躇しながら浮かれ狂ったオリンピック・パラリンピックが終わり、秋風と共に次のステップに移ることは、自粛疲れからの解放という意味でも重要なことで、医療体制が改善したという前提に立てば方向性は間違っていないと思っていますが、先週の総理退陣発表やそれに続く自民党総裁選の権力闘争を見ていると、やはり政府・自民党は国民目線とは距離があり、国民のための政治はすぐには期待できないように思えます。各候補が公約では、コロナ対策や経済を回す話に触れますが、今一つ実感が伝わってきません。あれだけ経済を回す必要性を訴えていたのに、いったい何だったんだ、と言いたいところです。
しかし株式市場は面白い動きをしています。先週総理が退陣を発表した直後から株価は急騰を続けています。夏の間はコロナ感染者数の急増による先行きの不透明感から株価はじりじりと下がり続けていたので、市場は反転のきっかけを待っていたところのでしょうが、それが総理退陣発表だったとは非常に面白い話です。市場が総理交代によって新しい経済政策やコロナ対応が期待できると考えたようですが、この株価急騰から言えることは、経済を活性化させるための最も素晴らしい政策は、なんと総理退陣だったようですね。総理は「経済を回す」と一年間言い続けて、最後にやっと実行されました。