今年は梅雨がないかも???
昨日の東京は真夏日の一歩手前。今日も暑くなって30℃を超えて真夏日になるとの予想です。梅雨はどこに行ったのやら… 完全に梅雨明け後の夏の天気ですね。1か月前の予想では、今年は例年よりも梅雨入りが早いとのことで、実際に東海地方までは5月16日に梅雨入りしました。その後関東地方も一週間ほどは雨や曇りがちな天候が続いて、誰もが「関東も梅雨入りしてるんじゃないの」的な空気になっていたように思えます。それが一転して晴天の日が続き、平年の梅雨入り日である6月7日になっても雨が降る気配が全くありません。むしろ夕立などが予想され真夏の天気です。この先も今週いっぱいは晴天が続きそうで、週末になってやっと曇りがちとなり梅雨入りの可能性があるとか…。でも本当に週末から雨が続くのか疑問でもありますが…。
もともと前線という雲の帯は、暖かい南の空気と涼しい北の空気がぶつかったところにできるもので、南の太平洋高気圧と北のオホーツク海の高気圧との勢力のバランスによって、その位置が変わります。6~7月は両高気圧の勢力が拮抗してほとんど動かないため、その雲の帯が日本列島付近に停滞して雨を降らせるのが梅雨です。梅雨の最中でも時折両高気圧の勢力バランスが崩れ、北の高気圧が相対的に強くなると、雲の帯が日本列島より南方に押し下げられ、梅雨の中休みの晴れ間が広がります。逆に南の太平洋高気圧の勢力が強くなると雲の帯を日本列島より北に押し上げ、日本列島が高気圧帯に入ります。そしてこの状態が継続し始めると梅雨が明けたことになります。
ここ数日は晴れていますが、雲の帯が日本列島のはるか南に位置しているので梅雨明けしているわけでは無く、東海地方から西は梅雨の中休みということになります。では関東はと言うとまだ梅雨入りしていないので、梅雨入り前の晴れの総称を使うと「五月晴れ」が続いていることになってしまいます。気温や湿度を考えると五月晴れと呼べるものではありませんので、単なる晴れということなのでしょうが…。
そもそも前線を日本列島まで押し上げる・押し下げるという太平洋高気圧の動きは地球規模のマクロな話です。一方で、西日本が梅雨に入り東日本はまだということは、西日本には雲の帯がかかり、東日本では雲の帯が南方に離れているということで、せいぜい南北数百キロメートルのズレに関するミクロな話です。だから日本列島に前線が停滞し始め、マクロ的に列島全体が梅雨モードに入ったことを前提にして、西日本・東日本というミクロな議論をするなら納得できますが、ただ闇雲に西日本は梅雨に入った、東日本はまだ梅雨に入っていないという議論をするのは少し乱暴に思えます。
私が思うに、日本列島は5月中旬にマクロ的に梅雨に入ったのではないでしょうか。そして今年は偏西風や他の要因、ひょっとすると地球温暖化の影響もあって、高気圧の強弱の変化が大きく、その影響で前線の南北に大きくズレ、大雨になったり梅雨の晴れ間になったりしているのでしょう。そして今後も例年のように前線が日本列島上に長期間停滞することなく、周期的に南北に大きく動くような気がします。しとしとと梅雨の長雨が続くのではなく、大雨と晴天が来る返すパターンではないかと思います。
もしそうであれば、この先は二日ぐらい雨が続くタイミングで梅雨入り宣言をしないと、梅雨入りのタイミングを失って、「今年は梅雨がない」ことになるかも知れませんね。そういう意味では今週の週末に雨が降ると梅雨要入りが発表される可能性は高いのでしょう。もっとも気象庁は秋口になってから、梅雨入り日の修正発表を行うこともありますから、仮に梅雨入り宣言が無くても、実は6月15日に梅雨入りしていた、と後で発表するかもしれませんが…。
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